株式会社イソダメタルは、船舶向けすべり軸受（メタル）の製造・販売をしている会社です。

特に合金を遠心鋳造した肉厚の薄い軸受の製造を得意とし、大手造船メーカーから官公庁に至るまで幅広く支持されております。

株式会社イソダメタルは、軸受の中でもすべり軸受を製造しております。すべり軸受は軸と軸受間の潤滑油の表面張力を利用し、軸を面で支える構造の軸受です。

イソダメタルの軸受について、詳しくご紹介します！

軸受には一般にすべり軸受ところがり軸受とがあり、イソダメタルはすべり軸受専門のメーカーです。特にケルメット軸受、三層軸受、ホワイトメタル軸受、鉛青銅軸受、その他各種軸受を製造しております。

長年に渡って培われた実績と、高い信頼性により、イソダメタルのすべり軸受は国内市場で多く採用されています。そして現在でも国内の工場で、１つ１つ熟練の職人たちの手によって仕上げられる信頼のジャパンメイドです。

エンジンメーカー並びに造船メーカーを得意先としており、主に船舶用・発電機等のディーゼルエンジン用合金軸受(銅合金、ホワイトメタルなど)の完成品の製造を行っています。

軸受はエンジンの動力部分に使用されるため、重要部品として位置付けられています。イソダメタルが軸受メーカーとして１１０年に渡り軸受を提供してこれたのは、お客様に信頼を頂いた証だと思っています。イソダメタルの軸受に打刻されるＩＳＤの刻印は、そんな信頼の証です。

軸受の内面には銅合金やホワイトメタル、鉛青銅合金、青銅合金などの合金が鋳造で使用され、また鍍金（メッキ）処理により多層構造で出来ております。

合金の化学成分や機械的性質により、ディーゼル機関、タービン圧縮機、ポンプ、車両用減速機など様々なすべり軸受を製造しております。

イソダメタルでは、設計をはじめ、銅合金・ホワイトメタルの鋳造設備から機械加工、鍍金（メッキ）処理設備、各種検査機器を取り揃えており、すべり軸受製造において全て自社対応が可能です。

設計〜検査までの技術を一つ一つご紹介します。

イソダメタルには戦時中に描かれた軸受の図面が今も残っています。戦闘機などに使用されていた軸受の図面は、今の目で見ても設計者の明確な意思が読み取れ、当時の職人の“魂”が感じられます。

イソダメタルではエンジンのサイズや仕様に合わせ、計算し最適な設計図を起こし、設計から製造までを一貫生産で提供することができます。

イソダメタルでは軸受の内面に銅合金を鋳造したものと、ホワイトメタルを鋳造したものの２種類の軸受を製造しています。ベースとなるバックメタル（鋼）の内面に、これらの合金を密着させるための工程が鋳造です。

軸受は、使用されるエンジンの大きさや出力などによってサイズや形、そして適した合金の配合や厚みが異なります。信頼性の高い製品に仕上げるには、素材に合わせた温度の管理や、遠心力や冷却の速度・方向まで気を配ることが必要です。

金属は高温で加熱し冷却することで残留応力が発生し、歪みの原因となります。製品に仕上げるには、残留応力を開放することが重要になります。残留応力を開放する為に熱処理を行い、旋盤を用いて定められた寸法まで切削します。

その後、切断・成形・外径の研磨・オイルを供給するための溝・油溜・穴開け加工・内径の旋削等を行い検査工程に進みます。イソダメタルではお客様が求める高品質な製品に仕上げるために、数多くの工程を多種多様な治具を用いながら加工を行っています。

仕上げ加工の施された軸受は、エンジンの仕様に応じて鍍金（メッキ）加工の工程へと進みます。軸受に施される鍍金は装飾鍍金とは異なり軟らかい性質をもった機能鍍金です。この機能鍍金はオーバーレイ鍍金と呼ばれるもので、なじみ性を向上させ、繰り返しかかる荷重に対して軸と軸受を守る役割を果たします。

オーバーレイ鍍金は、軸受を鍍金液に浸け電気を流すことで表面に膜を形成させます。イソダメタルでは1953年から研究に着手。国内において初めて軸受での実用化に成功しました。

各工程を経て完成する軸受は、仕様に基づいた各種品質検査が行われます。検査工程では、外観検査・寸法検査・浸透探傷検査・超音波探傷検査・成分分析・硬度測定検査が行われます。その他肉厚の薄い軸受の特徴であるクラッシュ量測定検査があります。

これはイソダメタルでは重要な1つの検査工程となっています。また、合金組織の確認を行うために顕微鏡検査を行っています。これは合金が理想の状態で鋳造ができているかを確認するもので、遠心鋳造を行う時の回転数や冷却温度に関わってくる重要な検査工程になります。